NHKの番組で木材と金属、或いは耐火性の石材を組み合わせた複合素材による高層建築が脚光を浴びようとしている。
私の家具作りにも関係することなので関心を持たざるを得ないが、
私の木に対する知識は木は木としか相容れない、というものだ。
木と金属の組み合わせは金属の結露、腐食などで相性は極めて悪いことは伝統建築が証明している。
コンクリート断熱材とのサンドイッチによる耐火性の向上は無意味とも言える。
耐火性を期待するなら初めからコンクリートで作るべきだろう。内装に木を用いることは従来から行われていることだ。
木と金属などとの複合的な構造は、数十年後に大きな問題を起こす可能性がある。
笹子トンネルで起きた天井板の崩落を今一度思い出して欲しい。
この場合は重い石の天井の吊り下げを、ボルトの強度だけを信じた結果起きた事件だ。
鉄は錆びると強度が低下するということは、誰でも理解できる事実だが、
メンテナンスを怠った結果、あの崩落が起きた・・・メンテナンスを怠る、無視する、知らなかった、などどいうことはありえない、という前提だろうが、ありえないということを前提にしてはいけないと思う。
たとえありえないことがあったとしても、壊滅的なことが起きないように考えるのが技術者の責務だと思う。
金属の強度という物は実験室での値であって、数十年後どのような強度になるかは、使用条件次第なので、誰も保証できるものではない。数十年後木造高層建築物の崩落事件が起きた時、
設計者は頭を下げてこう言うのか・・「想定外のことが起きまして・・・」
- 2013/04/18(木) 21:31:42|
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